視覚障がいがある人との接し方

      2015/02/14

心の準備

自分ができる100%の思いやりを相手に注ぐ。

 

視覚障がいがある人と接するときは自分が一度、「目をつぶって街を歩いてみる」ことから始めると良いかと思います。

もちろん全く視覚障がいがある人の気持ちがわかるわけではありませんしわかった気になるのも良くないのですが、どのような心理的不安があるのかを少しだけ感じることができます。

大事なことは相手の身体に自分の魂を入れることで、その人の身体から五感を同調する感覚を身につけることが大切です。

要は、日常生活の些細なことからも、イメージするための情報を集めることです。

 

視覚障がいのある人が抱えやすい心理特性

視覚障がいがある人でも、「先天性の盲」と「中途失明」で心理的特性に違いがあります。

「先天性の盲」の人は、生まれつきまたは幼い頃から「見る」という感覚がありません。そのかわり聴覚や触覚が発達していることが多く、視覚を本能で、他の部分で補うように成長していかれます。また、色を言葉で伝えることも必要になってきます。例えば、「赤色」を伝えるときは、「ストーブに手をかざしたときの感覚」であったり、伝える人も感性の部分で伝える必要があります。

「中途失明」の人は、色がわかることが多いので「赤色」で伝わることが多いです。しかし、無意識的に聴覚や触覚ではなく、視力に頼るので不慣れな生活をする方が多いです。障がいを伴ってからの年数によっても大きく変わってきます。年数が長い人は、支援者と街を歩くのも慣れていることが多いのでスムーズに歩行できるかと思います。年数が短い人は、階段やわずかな段差でもとても恐怖心が強くなります。一緒に歩行をする際には、情報を言葉でたくさん伝えていく必要があります。

 

クロックポジションによる伝え方

言葉で位置や配置などを説明する際に時計の文字盤に見立てて説明をします。このときに大事なのは文字盤はどこに定義するのかを伝えることです。食事のトレーに乗っているおかずやご飯の場所を説明するときは、そのトレーが文字盤になります。他には、ホテルの部屋にある机やテレビ、寝具の場所を説明するときは部屋全体が文字盤になります。 例えば、前者を説明するときは、本人の正面手前を6時として右が3時、左が9時と伝えます。「正面6時のところにお箸があり、その左におしぼりがあります。」「7時の位置に白いご飯があります。」「4時にお味噌汁があります。熱いので横からそっと触ってみてください。」このように伝えるとわかりやすいかと思います。

また後者を説明するときは、本人が立っているところを6時として伝えます。「2時から5時の位置にベッドがあります。」「8時から10時の位置に机があります。」このように伝えていきます。

説明をしていく上で、こちらから一方的に伝えていくことが多いと思いますがやはり大事なのは本人の声です。どこかわからないところはないかを意識して耳を傾け、見えないことで感じている不安やどこに連れて行かれるかわからないといった不安など

しっかりと教えてもらうことも大事です。そのためにも“気軽に話せる空気感”をつくっていくことが大切になってくるかと思います。


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