スペインのダウンタウン

      2015/02/18

『ダウンタウン』というダウン症の個性を紹介したコミックを知っていますか?

 

これはスペインのコミックで漫画というより絵本に近い印象がありますが、

読んでいてもっとダウン症の弟のことが好きになりました。

 

また本を書いたスペイン人の方も素敵で、

「障がい者が法律で決められた権利を亭受しようとするとき、彼らには大きな壁に直面する。(中略)

それを壊すのは、肩肘張って頑張るより、ちょっとした遊び心、ユーモア役に立つのではないか。」

と言われ、彼らの“当たり前”の日常を私たちの固定観念を取り除いたところから描いてくれています。

 

この本には5人のダウン症の登場人物がいます。

ブロ、ビビ、ルス、ベンハミン、ミゲローテ

いかにも南米っぽい名前ですよね^^

 

彼らはダウン症なんですけどそれぞれ特別なのです。

個性があって夢も違うし、趣味も違う。

結婚相手に望むものも違えば大事にするものも違います。

 

当たり前ですよね。

私たちと同じ人間ですから。

いや、彼らの方が私たちよりも賢いと思います。

 

例えば、「学校」。

学校を全否定するつもりはありませんが、

原始人的目線で生きていくための欲求を最優先に考えたときに学校ほどつまらないものはありません。

小学生の頃なんか1日6時間の週5日も教室の椅子に座っていなければいけません。

単純に、つまらないですよね。

それなら外で遊んだり、友達と話してる方がよっぽど楽しいです。

 

「でもそんなことばかりしてたら将来ろくな大人にならない...」

とか考えるのが私たちの固定観念というか今までそう教えてこられた洗脳であったりします。

 

学校教育が始まる以前に生まれた人たちはみんなろくなでなしの大人ですか?

 

単純に考えればわかります。

そんなことはなかったはずです。

こういったところから彼らの方が賢いと考えています。

 

他にもこの本には見どころがあって、

「言葉」の難しさについて考えさせられます。

 

私たちはある意味、

言葉というよりもトーンや雰囲気、ニュアンスで会話するという概念が備わっています。

しかし、「言葉」だけを文字としてとってみると、

思った以上に勘違いしやすいことに気づくはずです。

 

例えば、

ルス:「私大きくなったら女優になりたいな。・・・ベンハミンは?」

ベンハミン:「僕はなりたくない。」

 

この場合、

ルスはベンハミンの「夢」を聞いているのにベンハミンは「女優になりたいか?」について返事をしている。

しかし言葉だけをみると間違っていないんですよね。

 

こういったことが日常茶飯事で彼らのなかで起こっており、

誤解を生んだり勘違いをされて避けられているという可能性ってとてもあると思うんです。

 

でもよくよく、

こういう彼らの思考パターンを理解するとなんだかわかってあげれる気持ちになりませんか?

 

これがこの本の著者が言わんとしている、

“遊び心”と“ユニーク”で理解をしてもらうってことなのだと思います。

 

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