言語障がいがある人との接し方

      2015/02/14

心の準備

自分ができる100%の思いやりを相手に注ぐ。

言語障がいのある人は、意思伝達が困難なためコミュニケーションをとるのにたくさんの時間を要します。そこで大事なのは「気兼ねなく意思伝達ができる存在」です。時間がかかることを気にして、自分の思っていることや感じていることの半分も伝えきれていない場合が多いです。その不必要な悩みを取り除いてあげられる存在になってあげてください。

言語障がいのある人が抱えやすい心理特性

誰しもがそうですが、何度も何度も聞き返されると話すのがイヤになるときがあります。その場合、事前に一言了承を得ておくと随分とお互いに話しやすくなります。構音障がいのある人は、「さ行・た行・な行・ら行」が上手く発音できないことが多いので母音から察していくことが必要です。また呼吸器障がいのある方には騒がしい場所や大きな声で話さないといけないところでの会話は避け疲労をしないように配慮していきます。運動性失語の場合、長文での質問や話などを控えめにして短文や「Yes」、「No」で応えられる会話を心がけるのが良いと思います。感覚性失語の場合、本人の「使い慣れた言葉」を話していく中で吸収していきます。そしてそれにそぐうような形で、こちらも表現をして話をすると相手に伝わりやすかったりもします。一回で伝わらなかったときは、何度でも同じように言ったり、言い方を変えてみたり伝わるまで繰り返すことが相手も理解してあげれなかったという罪悪感を抱かずに済むと思います。またコミュニケーション機器などの補助道具を使用することも意思疎通をする上で大切になってきます。ここで私の体験談を少しお話したいと思います。全身性障がいがあり電動車いすを乗られている方がいます。その方は言葉は理解していますが、手先のこわばりから文字盤でのコミュニケーションも窮屈な様子でした。そこで“目線”を使ってコミュニケーションをとることにしました。私が透明な文字盤を二人の間に持ちその方の見ている文字を一つずつ読み上げることで意思伝達をして頂きました。ここでも大事なのは、「焦らないこと」と「根気よく繰り返すこと」です。最初はやはり難しく、途中でこの方法は自分には向いていないのかなと感じたりしました。しかし必死に文字盤に視線を送ってくれるのをみると、自分がくじけていても仕方がないと思い、何度も何度も失敗を繰り返しながらコミュニケーションをとりました。すると徐々にスムーズに伝わるようになり、そうなると本人も高揚感からか、全身で嬉しい気持ちを表現してくれるようになりました。私が大事にしているのは“空気感”です。どんな些細なことでも気兼ねなく伝えれる存在になることです。もちろん私もまだまだ序の口ですがその人からは、「布団の耳がめくれているのが気になるから直してほしい。」と言ってもらえるようになりました。いつでも気軽になんでも伝えられる空気感を作り出すことが障がいのある人に寄りそう上で大切な要素かと思います。


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