[登山家]栗城史多さんの講演会で学んだこと
「登山家」になった理由
栗城史多さんは、登山について「本人が頑張れば良い問題ではない。周りの人の一言で変わる。」と言われていました。
栗城さんは、山が好きで登山家になった人ではありません。“彼女とのトラブル”が理由だそうです。過去のお話を聞くと非常に面白く、栗城さんは元々フリーターでバイト生活をしておられましたがいじめを受け人間不信になり、半年間ニートになりました。要は今のように目標や夢を語る人間とは180度違った姿だったようです。そんな中、栗城さんは彼女がおられました。
彼女の好きな男性の条件は3つ
- 車を持っている
- 大卒である
- 公務員
それを聞いた栗城さんは、必死にお金を貯め、大学にも行き公務員の勉強を真剣にしていました。そしてやっと彼女のために車を買ってデートに行ったときに事件が起きたそうです。そう、買ったばかりの車の中で彼女にフラれてしまったのです。普通にフラれればまだよかったのですが、去り際に「2年間あまり好きじゃなかった。」と言われてしまったそうです。これがきっかけで翌日から謎の38度の高熱が出て、一週間布団で無気力状態でした。すると人型のカビが布団に生え、「とうとう自分もカビになってしまったか。」と気づき、「人間に戻りたい」と思ったことから「人間って何?」という疑問に20歳の時点で気づいてしまったようです。その元彼女は登山が好きだったようで、要は彼女への未練から登山家になられたようです。
大学で山岳部
栗城さんは大学の山岳部で、師匠とも呼べる先輩に出会いました。毎週金土日は登山。「登頂ぐせをつけろ」が口癖で下山禁止だったようです。そんな部員2人の山岳部で北海道の山脈を10日間かけて縦断することになりました。途中遭難もありながら目標だった小樽の海にたどり着き、海に足をつけたときに初めて「感動して泣いた経験」をされたそうです。そこで気づいたことは、「限界は幻想」ということだったそうです。自然界には確かに限界はあるけれども人間はもっと手前で自分の幻想で限界を感じると言われています。そんな素敵な経験を栗城さんは大学時代に経験されました。
頂上に着くのは素晴らしいこと。でも、
登山家が一番感動する瞬間は、頂上にたどり着いたときではなく頂上から3m手前が一番感動するそうです。では頂上につくとどうなるかというと「さびしくなる」そうです。エベレストで死ぬ人の7割は頂上まで登られた方が下山をするときだそうです。要は、夢が叶ったあとが一番危険だそうです。なので栗城さんは「夢は2つ持つことが大事」と言われています。
栗城さんの本当の夢
栗城さんの本当の夢は、「冒険の共有」だそうです。成功と失敗云々ではなく、チャレンジすることの重要性を伝えたいと言われています。なので登山する姿を生中継されるのですが、エベレストを生中継するのに2か月で約5000万円かかると言われています。そのお金を集めることが毎回大変で、スポンサーを探したり企画書を作成したりということを日頃されているようです。2015年9月に5回目のエベレスト登頂に挑戦されるそうですが、驚いたのは4回失敗していることではなく、それだけの苦労をして集めたお金で挑戦して、4回も下山を選択したその決断力に驚きました。生きて帰らなければ再チャレンジできないと言われているので本当にその通りだと思いますが、夢に執着しすぎない心のバランス感が素晴らしいと思います。
まとめ
あまり長い文章を書いていると読む人も疲れちゃいますので簡単に印象に残ったことをまとめたいと思います。
- 山の鉄人 は自分の体調や心の声を聴き、ベースキャンプ(登山前)に下山を選択する
- 20代後半~30代前半が一番事故に遭いやすい
- 大きな事故の後にいい山登りができる
- 山を見るんじゃなくて自分を見ろ
- 楽しんでチャレンジする。楽しくなかったら一旦離れて見つめ直す
- 苦しみは、戦っても勝てない、逃げても追いかけてくるから友達になる
- 苦しみと喜びは繋がっている
- 夢や目標を言葉にする→多くの人に言う→誰かが口コミで繋げてくれる→共有することで実現する
- 夢は一日10回言う→「叶」
- 夢は言いすぎるとダメ→「吐」
- 夢はゴールじゃない→夢は種や根っこ→ダメでも枝分かれして広がる→木が成長しているということ
- 苦労しないで目標を叶えたい人が多い
- 豊かな日本をつくったのは先人たち→それに気づくことが大切
- 元彼女は公務員と結婚→夢は叶うということ(笑)